総合殺菌剤『ベルクート®フロアブル』

2つの異なる作用機構『ベルクート®フロアブル』

日本曹達株式会社より、『ベルクート®フロアブル』(FRACコード:M7)が発売されております。

『ベルクートフロアブル』は、グアニジン系のイミノクタジンアルべジル酸塩を有効成分とする殺菌剤で、多くの病害に安定した効果を示します。

有効成分のイミノクタジンアルベシル酸塩は、脂質成合阻害細胞膜機能阻害という2つの異なる作用機構を有することにより、各種薬剤耐性菌に対しても高い効果を発揮します。

特徴

  • 独自の作用機構
    • 病原菌の脂質生合成(既存DMI剤と異なる作用点)を阻害する。
    • 病原菌の細胞膜機能に影響を及ぼす。
  • 幅広い抗菌スペクトラム
    • 不完全菌を含む多くの子のう菌に有効。多くの病害に対して優れた予防効果を示す。
  • 既存耐性菌に高い防除効果
    • DMI(エスゴステロール生成阻害)
    • ベンズイミダゾール系(核酸及び有糸核分裂阻害)
    • ジカルボキシイミド系(核酸、キチン及びステロール生合成阻害)
    • ストロビルリン系剤(呼吸阻害)

    これらの耐性菌にも対しても有効。

  • 病原菌の感染の各ステップを強く阻害
    • 胞子発芽、菌糸伸長、付着器、侵入糸形成を阻害 
  • 無人航空機散布の登録を有し、散布作業の省力化がはかれます。
  • フロアブル剤のため粉立ちも少なく、薬剤の計量が簡単です。また作物の汚れも軽減されています。

茄子の褐紋病

『ベルクートフロアブル』は、ナス褐紋病の登録があります。

褐紋病は、果実の輸送中にも発生するため、市場病害となっております。

梅雨時期から発生し、盛夏過ぎから被害が増える傾向にあります。

葉、茎および果実に発生する。葉では、初め下葉に蒼白色で周辺がぼやけた病斑ができ、次第に拡大して健全部との境界が明瞭となり、褐色病斑となる。病斑の中央部は灰色を呈し、かつ輪紋を生じて、その表面に黒色の小粒点が同心円状に多数形成される。古い病斑は破れやすくなって穴があく。

病原菌は被害作物残さ上で生存し、第一次伝染源となる。下位葉や地際の茎の発病は残さ上に形成された胞子の飛散により、果実や上位葉への感染は下位葉の病斑上に形成された胞子の飛散によることが多い。

黒枯病との判別は、黒枯病は病斑が紫黒色を呈し、古い葉では輪紋がみられるが、黒色の小粒点は形成されない。

【ポイント】

本圃においては、排水不良や密植、窒素過多等によって発生が助長されます。

  • 被害ほ場での連作を避けましょう。
    前作で発生した褐紋病菌が土中に残り、雨やかん水で飛散して、下位葉や地際近くの茎の発病を引き起こします。また、密植を避け、チッソ肥料が過剰にならないようにしましょう。
  • ほ場内の排水や風通しを良くし、湿度を上げないようにしましょう。
  • 褐紋病の発生した株はほ場からきれいに取り除き、ほ場周辺に放置しないようにしましょう。
    褐紋病菌は残さとともに土壌中で越年し、次作の伝染源となります。

いちご

【特徴】

  • 育苗期(定植前)の炭疽病、うどんこ病の同時防除が可能
  • 生育期:収穫直前まで使用可能。灰色かび病にも効果的

すいか

【特徴】

  • 主要病害に有効
    • (炭疽病、うどんこ病、つる枯病、菌核病)
  • 生育ステージ全般(収穫前日まで)に渡って使用可能

効果・薬害などの注意

(1)使用量に合わせ薬液を調製し、使いきること。
(2)本剤はイミノクタジンを含む農薬であるので、他のイミノクタジンを含む農薬の使用回数と合わせ、作物ごとの総使用回数の範囲で使用すること。
(3)5℃以下では増粘あるいは固化により、容器から取り出しにくくなることがあるので、50℃以上の湯に容器の肩まで浸し、1時間以上経過した後、室温まで放置し、よく振ってから使用すること。
(4)本剤をおうとうに使用する場合、着色期の散布では薬害(着色障害)が生じるおそれがあるので使用しないこと。
(5)りんごの落花直後から落花後25日ごろまではさび果を生じるおそれあるので、かからないように注意すること。
(6)西洋なしの品種ルレクチエではさび果を生じるので使用しないこと。
(7)缶桃14号等の缶詰用品種のももでは葉に薬斑を生じるので、かからないように注意すること。
(8)かきの品種西村早生では葉に薬斑を生じるおそれがあるので、かからないように注意すること。
(9)幼果期のメロン、ばらに対して薬害を生じるおそれがあるので、かからないように注意すること。
(10)キャベツに使用する場合、浸透性を高める効果のある一部の展着剤を混用すると薬害を生じる場合があるので、展着剤混用にあたっては事前にその適否を確認すること。
(11)やまのいも(むかご)に使用する場合、種いも(やまのいも)を浸漬処理すること。
(12)本剤をチューリップに使用する場合、花弁に薬害が生じるおそれがあるので、出蕾期以前に使用すること。
(13)蚕に対して毒性があるので、桑にかからないように注意すること。
(14)散布量は、対象作物の生育段階、栽培形態及び散布方法に合わせ調節すること。
(15)無人航空機による散布を行う場合には、次の注意事項を遵守すること。
1)散布機種の散布基準に従って行うこと。
2)散布機種に適合した散布装置を使用すること。
3)散布中に薬液の漏洩がないよう、事前に機体の散布配管その他散布装置の十分な点検を行うこと。
4)散布薬剤の飛散によって他の動植物等に影響を与えないよう、散布区域の選定に注意するとともに、散布区域内の諸物件に十分留意すること。
(16)常温煙霧処理する場合には、次の事項に注意すること。
1)専用の常温煙霧機により所定の方法で煙霧すること。特に常温煙霧装置の選定及び使用に当たっては病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ましい。
2)作業はできるだけ夕刻行い、作業終了後6時間以上密閉すること。
(17)本剤の使用に当たっては、使用量、使用時期、使用方法を誤らないように注意し、特に初めて使用する場合は、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ましい。
(18)適用作物群に属する作物又はその新品種に本剤をはじめて使用する場合は、使用者の責任において事前に薬害の有無を十分確認してから使用すること。なお、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ましい。

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