病原菌を直接たたく『オラクル®紛剤』
日産化学工業株式会社より、根こぶ病・土壌病害用殺菌剤『オラクル®紛剤』(FRACコード:21)が発売されております。
特徴
・根こぶ病・紛状そうか病の病原菌を眠らせたままにせず、遊走子に直接作用
休眠胞子を眠らせたままにせず、作物に感染する前に遊走子をたたきます。
・病害の発生をしっかり防除
病害感染の元となる遊走子を阻害します。「静菌」ではなく「殺菌」作用で病害を予防します。
・畑の土をきれいにします。(使用していない場合と比較において。)
休眠胞子から出てきた遊走子を「殺菌」し、土壌中の菌密度を減少させます。(約50日間予防します。)
・菌密度の高い圃場ではセル苗灌注(顆粒水和剤)と土壌全面混和(粉剤)の体系防除でより強力に予防することも可能です。
・ばれいしょの粉状そうか病、稲の苗立枯病(ピシウム菌)・ムレ苗防止にも優れた効果を示します。
根こぶ病は防除がとても難しい病害です。
根こぶ病はpH4.6~6.5の酸性土壌で発生しやすく、特にpH5.0前後が発病に最適な酸性度といわれています。一方、土壌液性がpH7.0以上であれば、根こぶ病がほとんど発生しません。そのため、pH7.0を目標に土壌のpH調整を実施します。リン酸が過剰でも発生が高くなる傾向があります。
上手な使い方
土壌の水分が多すぎると十分に混和できないため、土を握ってすぐ崩れる程度の状態で施用します。また、発病度が高いほ場の場合は、土壌混和と育苗段階での灌注を組み合わせると根こぶ病の予防効果が高くなるでしょう。
根こぶ病菌の密度が高い時に
おとり植物とは
アブラナ科根こぶ病菌に感染しても発病しない、葉ダイコン、エンバク、ホウレンソウ、ソルガム等のことです。
栽培すると、土中の休眠胞子を発芽させることができます。
発芽した遊走子はおとり植物に感染しますが、新たな休眠胞子が形成されないため、土壌中の菌密度を減らすことができます。
①適用作物を栽培する約2ヶ月前に処理し、しっかり混和します。
作付けには余裕をもって準備してください。(おとり植物の十分な効果が出るまでに約1ヶ月かかります。)
②おとり植物を1ヶ月程度生育させ、休眠胞子の発芽を促します。
オラクルの使用は、おとり植物播種当日(~播種7日前程度まで)に行ってください。
③菌密度が低下。おとり植物をすき込み、腐らせます(1ヶ月程度)。
残渣の分解を促進したい時は、『分解ヘルパー631』、『分解ヘルパーアクア』等の残渣分解資材を使用してください。
④適用作物を播種/定植する前に、オラクルをもう一度処理し、しっかり混和します。
病原菌が完全に無くなるわけではないので、その後の防除もお薦めします。
※オラクルと同時使用したおとり植物は、食用または動物飼料として用いないでください。
※注意:かぶ、非結球あぶらな科葉菜類、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、はくさい、なばな、なばな類、茎ブロッコリーの播種前または定植前に2回土壌混和する場合は、使用間隔を2ヶ月程度あけてください。2ヶ月の使用間隔とは、おとり植物との同時使用から適用作物への処理までの間隔のことです。
根こぶ病とオラクル・解説動画集
効果・薬害等の注意
・本剤を使用する場合、砕土をよく行った後、所定量の薬剤を均一に散布し、土壌と十分に混和してください。なお、降雨直後の処理は混和むらの原因となるのでさけてください。
・キャベツ苗床に使用する場合、初期に生育抑制を生じる恐れがあるので、病床表面に均一に処理するよう注意してください。
・作条土壌混和を行う場合、根圏に薬剤が混和処理されるよう、畝に沿って幅20cm以上、深さ10cm以上の範囲の土壌によく混和してください。
・かぶ、非結球あぶらな科葉菜類、キャベツ、ブロッコリー、カリフワー、はくさい、茎ブロッコリーのは種前又は定植前に2回土壌混和する場合は、使用間隔を2か月程度あけてください。
・本剤の使用に当たっては、使用量、使用期間、使用方法を誤らないように注意し、特に初めて使用する場合は、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ましいです。
・適用作物群に属する作物又はその新品種に本剤を初めて使用する場合は、使用者の責任において事前に薬害の有無を十分に確認してから使用してください。なお、病害中防除所等関係機関の指導を受けることが望ましいです。
ポイント
「オラクル紛剤」を使ったけれど、根こぶ病が出てしまったと言われることがたまにあります。「オラクル紛剤」は定植直前(定植日~定植7日前)に使用して下さい。堆肥や肥料と同じタイミングで使用すると定植までに日にちが掛かってしまう時があると思います。アブラナ科の根っこが休眠から目覚めるスイッチなので日にちが掛かりすぎると「オラクル紛剤」の効果が発揮されるまえに効果が低下していってしまいます。もし、「オラクル」は効かないと思っている方は、使用時期を確認してみてください。
根こぶ病を広げないコツ
休眠胞子を含む土壌が風で飛散して、他の圃場でも根こぶ病が発生するケースも少なくありません。種子や農機具・靴底に汚染された土壌が付着して、汚染が拡大することも考えられます。
根こぶ病が発生してしまった圃場で作業した後は、必ず軽トラのタイヤ・農機具・長靴の土を洗い流して、他の圃場に持ち込まないように心掛けましょう。
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