広葉雑草防除剤『バサグラン®液剤』(ナトリウム塩)
日本農薬株式会社より、水田多年生雑草・畑作の広葉雑草防除剤『バサグラン®液剤』(ナトリウム塩)(HRACコード:6)が発売されております。
『バサグラン®液剤』は、非ホルモン移行型の除草剤で、ノビエ以外の一年生雑草および多年生広葉雑草に高い効果を示します。作用機作は光合成阻害で明条件下で処理されると、速やかに雑草の生育が停止し枯死に至ります。
特長
- 一年生広葉、カヤツリグサ科雑草および多年生雑草に安定した効果があります。
- 難防除雑草のクログワイ、オモダカ、シズイ、コウキヤガラ、エゾノサヤヌカグサ等や近年問題になっているスルホニルウレア抵抗性のホタルイ、アメリカアゼナ等にもすぐれた効果があります。
- 薬剤処理適期幅が広く生育期処理での効果が高いので、雑草の発生をみてから処理できます。
- イチビ、オナモミ、タデ類、ハコベ等広範囲の畑地の広葉雑草に高い効果があります。
- 人畜毒性及び魚毒性は低く、通常の使用条件では使用時の安全性の高さはもちろん、環境への影響も少ない除草剤です。
上手な使い方
バサグランの作用は光合成阻害なので、好天が続く日の前に散布するとより効果的です。
①「バサグラン液剤」の水田での使用方法に落水散布とありますが、通常噴霧状態で散布するのでしょうか?
A.水田雑草の茎葉に薬液が十分付着する必要がありますので、噴霧器で散布するのが最も良い方法です。
②土壌が露出している状態でも効果があるのでしょうか?散布後に生えてくる雑草にも効果はありますか?
A.「バサグラン液剤」は茎葉処理剤ですので、生えている雑草の茎葉に散布し吸収させることが必要です。なお、土壌に落ちた薬剤は根からも吸収されて効果を発揮します。しかし、土壌処理層は作りませんので、散布後に発生する雑草にはまったく効きません。
③水田で落水散布は非常に労力と設備が必要です。簡便に使用できる方法はありませんか?
A.落水状態で雑草に直接散布するのが大変とのことであれば、「バサグラン粒剤」を落水状態(足跡に水が残っている状態)にして水の出入りを止めるか、又は、水を落とすことができないところでは漏水のない水田に限り、できるだけ浅水状態(雑草が水面上に出る状態)にして、まきむらのないように均一に散布してください。
抜粋:Q&A(農薬):①「バサグラン液剤」の水 | 住友化学 i-農力 (i-nouryoku.com)
たまねぎへの使用
「生葉3~4葉期まで」と「本葉3~4葉期」との違い
①本葉は子葉期以後発生した葉の全てを指し、枯葉も含みますが、生葉とは実際に生育している葉であり、枯葉の数は計算に入れません。移植後、生育が旺盛になる前の目安は、生育している葉の枚数が3~4枚までの状態であり、使用時期として「生葉4葉期まで」としています。
②「バサグラン液剤」は活着前の散布でも”たまねぎ”に薬害はほとんど発生しません。移植後、生育が旺盛になる前の使用であれば、薬害が少ないとの知見があります。
※イネ科雑草には効果がないので、圃場の雑草をよく見てから使用して下さい。
効果・薬害等の注意
- イネ科雑草には効果がないので、イネ科雑草の優占圃場での使用はひかえてください。また、イネ科雑草が混在する場合はこれらに有効な除草剤との体系で使用してください。
- 本剤は一年生広葉雑草に有効で あるが、作物ごとに使用薬量等が異なるので、時期を失しないように 、雑草茎葉にかかるよう均一に散布してください。
各作物の雑草への散布適期は以下のとおりです。- らっきょう、えんどうまめ、実えんどう、さやえんどう、とうもろこし、飼料用とうもろこし、ソルガム、麦類(小麦を除く)、小麦、はとむぎ、せり、おうぎ ・・・・・・雑草3~6葉期
- べにばないんげん ・・・・・・・・・・・・・・・・・雑草の生育初期~6葉期
- たまねぎ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・雑草の3~4葉期
- いんげんまめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・雑草の2~3葉期
- 散布後、曇天、降雨日が長く続くと効果が劣ることがあるので、晴天時を見はからって散布してください。
- 高温条件下では、薬害が生じやすいので異常高温下での散布はさけてください。
- 重複散布は薬害のおそれがあるのでさけてください。また、周辺作物にかからないように注意してください。
- 本剤の使用に当たっては使用量、使用時期、使用方法を誤らないように注意し、特に初めて使用する場合には病害虫防除所等関係機関の指導を受けてください。
- いんげんまめ、せりに使用する場合、本剤は葉枯・褐変症状の薬害を生じやすく、蒸散の盛んな高温乾燥条件下では薬害により減収することがあるので、雑草害が予想される場合に限り使用してください。
- たまねぎに使用する場合、直播栽培および苗床のたまねぎには、薬害を生じるおそれがあるので使用しないでください。
- べにばないんげんに使用する場合、薬液が作物に飛散すると葉に褐変症状の薬害を生じるので、作物に飛散しないように注意してください。
- せりに使用する場合には、落水状態にして水の出入りをとめ、まきむらのないように均一に散布すること。また、散布後7日間は降雨の有無にかかわらず落水しないでください。
- おうぎに使用する場合、本剤は一時的には葉先の黄化等の薬害を生じることがあるので、特に天候等をよくみきわめてから散布してください。
水稲に使用する場合の注意
- 本剤は水の移動に伴う移行性が大きく、一般に水深の浅いほど効果が安定します。
- 使用に当たっては落水状態にして水の出入りをとめ、まきムラのないように均一に散布します。
- 水を落とすことができないところでは漏水のない水田に限り、できるだけ浅水状態(雑草が水面上に出る状態)にしてまきムラのないように均一に散布します。
- 散布後少なくとも3日間(浅水処理は5日間)はそのままの状態を保ち、入水、落水、かけ流しはしないでください。また、散布後7日間は降雨の有無にかかわらず落水しないでください。
- 処理後2日以内に降雨があると効果が不十分になるおそれがあるので、晴天の持続する時を選んで使用してください。
- 深水にすると効果が劣るので注意してください。
- イネ科雑草には効果が劣るので、田植前後の土壌処理除草剤で一年生雑草を防除した後、多年生水田雑草および一年生広葉雑草の防除を目的として使用してください。
- 本剤は生育期に入った雑草に効果がありますが、雑草、特に多年生雑草は生育段階によって効果にフレがでるので必ず適期に散布してください。ホタルイ、ウリカワ、ミズガヤツリ、ヘラオモダカでは発生盛期から増殖中期、オモダカでは発生盛期から増殖初期まで、クログワイでは、草丈15~30cm、エゾノサヤヌカグサでは1~4葉期、シズイでは草丈10~30cm、コウキヤガラでは増殖期、クサネムでは本葉展開期が本剤散布の適期です。
- クログワイ防除は、必要に応じて有効な前処理剤との組み合わせで使用してください。
- 軟弱稲では薬害(接触害)のおそれがあるので使用はさけてください。
- 高温など薬害を生じやすい条件での使用は多めの希釈水量を用い、低濃度液をなるべく水稲にかからないように散布してください。
- 砂質土および漏水のはげしい水田では使用しないでください。(減水深2cm/日以上)
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