BT剤を使いこなそう
BT剤とは
BT菌とは、昆虫病原性細菌/バチルス チューリンゲンシス(BT)という微生物の総称です。
BT菌には40種類以上の系統があり、そのほとんどが自然界から見つけられたものです。40種類以上の系統の中でもBT剤として実用化されている系統は限られており、クルスターキとアイザワイは主に鱗翅目害虫を対象にしています。欧米では他にも双翅目(ハエ・カの仲間)害虫を対象にしたイスラエレンシスや鞘翅目(コガネムシ・ハムシの仲間)害虫に有効なサンディエゴ、テネブリオニスなどの系統が実用化されています。BT菌は系統によって感受性が異なったり、同じ系統でも菌株によって殺虫活性が異なったりします。
〈効果〉
チョウ目害虫の消化管内で殺虫タンパクが活性化されて効果を発揮します。完全な致死までには1~3日かかりますが、摂食はすみやかに止まりますので(食下後2~3時間で接触活動を停止)食害を最小限に抑えることができます。
BT剤の特徴
・耐性菌や抵抗性害虫の存在が気になりません。
・化学農薬の使用回数を減らせます。
・ 微生物防除剤は、農薬の散布回数にカウントされません。
・ 人畜に対する安全性が高い。
BT菌の殺虫性たん白はアルカリ性の消化液で溶解、さらにたん白分解酵素で分解され、殺虫効果が発現します。一方、哺乳類と昆虫では消化管中でのたん白の消化分解メカニズムが異なりますし、哺乳類では殺虫性たん白作用点が存在しないと考えられていること及び各種安全性試験の結果、人を含めた哺乳類への安全性が高いことが確認されてます。
・生態系に与える影響が少ない。
散布されたBT菌は植物体中、水中、土壌中といった環境では比較的早く消失することが明らかになっており、蓄積することはありません。
適用害虫 | 系統 | 種類 | 商品名 |
チョウ目幼虫 ※薬剤により適用作用や適用害虫が異なります |
アイザワイ系 | 生菌 |
サブリナフロアブル、ゼンターリ顆粒水和剤 クォークフロアブル、フローバックDF、 セレクトジン水和剤 |
死菌 | レビタームフロアブル | ||
アイザワイ系+クルスターキー系 | 生菌 | バシレックス水和剤 | |
クルスターキー系 | 生菌 |
チューンアップ顆粒水和剤、エスマルク水和剤、 ファイブスター顆粒水和剤、デルフィン顆粒水和剤、 ダイポール水和剤 |
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死菌 | トアロー水和剤CT、ガードジェット水和剤 |
BT剤には菌の系統( 産生する殺虫性タンパクの種類が異なります。 )があり, 鱗翅目害虫 には主にアイザワイ系とクルスターキー系の2種類があります。
①アイザワイ系はヨトウムシ、ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウの防除が得意で、「サブリナフロアブル」・「フローバックDF」などがあります。
②クルスターキ系はコナガ、オオタバコガ、アオムシの防除が得意で、「チューンアップ顆粒水和剤」・「エスマルクDF」などがあります。
BT剤には生菌剤と死菌剤があり、生菌剤は死菌剤に比べ速効的です。薬剤によって個々の害虫に対する殺虫活性が異なります。発生している害虫に効果の高い剤を選ぶことが大切です。
※鱗翅目害虫が多く発生しているときは、他の速効性の薬剤と混合してしっかりと叩いてください。BT剤1剤での防除では困難です。
※使用回数の制限はなく使いやすいのですが、抵抗性のことを考えると(抵抗性が付きにくいとれされていても)連投は避けて使用するのがいいと思います。
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